世界記憶力選手権のページ 作成 2016年12月8日 最終更新 2017年2月5日

世界記憶力選手権(World Memory Championship)とは、1991年にトニー・ブザン(イギリス、1942年生)とレイモンド・キーン(イギリス、1948年生)が共同で創設した、記憶力世界一を決める大会である。

現在、世界において、「世界一頭の良い人物(Smartest person)」、つまり世界一の天才を決定するような国際的な大会は、存在していない。IQ(知能指数)世界一を決める大会(IQ Championship)は、存在するらしいものの、日本ではほとんど認知されていない。世界的にも、世界記憶力選手権に比べればIQの大会の認知度は概して低く、頭を使う大会としては世界記憶力選手権の方が参加者の多さ、検索エンジンでの検索時のヒット数の多さや、関連する書籍が複数出版されていることから、世界記憶力選手権のほうが著名であることは明らかとなっている。

このことから、世界記憶力選手権は「世界一頭の良い人物(Smartest person)」、つまり世界一の天才を決める大会に最も近い大会と言うことが出来る。

記憶力世界選手権のロゴ

初期はヨーロッパ人が上位を占めていたが、2010年代に入ってからはアジア人、北アメリカ人も上位に入ることが増えている。

数字を視覚的に捉える特殊な能力により、2万桁の円周率暗記など驚異的な記憶力で知られるダニエル・タメット氏(イギリス)も19歳だった1999年と20歳だった2000年にこの大会に参加していた(彼の出生時の名前である"ダニエル・コルニー"として参加)。1999年大会では11位、2000年大会では順位を伸ばし4位になったが、それ以降は参加していない。

(ちなみに、当サイトの管理人が記憶術について興味を持つきっかけとなったのも、このダニエル・タメット氏についてのテレビ番組「ザ・ベストハウス123」をみたことがきっかけです(後述)。)


記憶力上位者トップ5(出典)2017年1月現在
順位 名前 得点 性別 記録年
1  ヨハネス・マロー 8,792 男性 2013
2  アレックス・ミュラン 8,647 男性 2016
3  マーヴィン・ウェロニアス 8,086 男性 2015
4  サイモン・レインハルド 7,806 男性 2015
5  ヨナス・ヴァンエセン 7,407 男性 2014

記憶力上位女性トップ3(出典)2017年1月現在
順位 名前 得点 記録年
1  Tsetsegzul Zorigtbaatar 6,770 2016
2  Liu Huifeng 6,730 2016
3  Yanjindulam Altansuh 6,459 2015

世界記憶力選手権 歴代優勝者(出典
開催年月日 優勝者 得点 性別 生年月日 優勝時点(大会終了日時点)での年齢
1 1991年10月26日  ドミニク・オブライエン 男性 1957年8月10日 34歳77日
2 1993年8月7-8日  ドミニク・オブライエン(2回目) 男性 1957年8月10日 35歳363日
3 1994年8月6-7日  ジョナサン・ハンコック 男性 1972年2月12日 22歳176日
4 1995年8月5-6日  ドミニク・オブライエン(3回目) 男性 1957年8月10日 37歳361日
5 1996年8月3-4日  ドミニク・オブライエン(4回目) 男性 1957年8月10日 38歳360日
6 1997年8月22-23日  ドミニク・オブライエン(5回目) 男性 1957年8月10日 40歳13日
7 1998年8月?日  アンディ・ベル 男性 1972年 24 or 25歳
8 1999年8月26-27日  ドミニク・オブライエン(6回目) 男性 1957年8月10日 42歳17日
9 2000年8月21-22日  ドミニク・オブライエン(7回目) 男性 1957年8月10日 43歳12日
10 2001年8月25-26日  ドミニク・オブライエン(8回目) 6,263 男性 1957年8月10日 44歳16日
11 2002年8月24-26日  アンディ・ベル(2回目) 6,927 男性 1972年 29 or 30歳
12 2003年10月3-5日  アンディ・ベル(3回目) 6,701 男性 1972年 30 or 31歳
13 2004年8月28-30日  ベン・ブリッドモア 8,302 男性 1976年10月14日 27歳321日
14 2005年8月13-15日  クレメンス・マイヤー 6,240 男性 1985年9月25日 19歳324日
15 2006年8月19-21日  クレメンス・マイヤー(2回目) 7,302 男性 1985年9月25日 20歳330日
16 2007年8月31-9月2日  グンター・カールステン 6,986 男性 1961年9月23日 45歳344日
17 2008年10月24-26日  ベン・ブリッドモア(2回目) 7,908 男性 1976年10月14日 32歳12日
18 2009年11月12-14日  ベン・ブリッドモア(3回目) 7,854 男性 1976年10月14日 33歳31日
19 2010年11月3-5日  ワン・フェン 9,486 男性 1990年 20歳
20 2011年12月7-9日  ワン・フェン(2回目) 8,478 男性 1990年 21歳
21 2012年12月14-16日  ヨハネス・マロー 8,413 男性 1981年6月7日 31歳192日
22 2013年11月30-12月2日  ヨナス・ヴァンエセン 8,534 男性 1991年4月24日 21歳222日
23 2014年12月11-14日  ヨナス・ヴァンエセン(2回目) 8,189 男性 1991年4月24日 22歳234日
24 2015年12月16-18日  アレックス・ミュラン 8,926 男性 1992年3月3日 22歳290日
25 2016年12月14-18日  アレックス・ミュラン(2回目) 8,647 男性 1992年3月3日 23歳290日

主な記録
記録名 記録保持者 記録の詳細
最年少優勝  クレメンス・マイヤー 19歳324日
最年長優勝  グンター・カールステン 45歳344日
女性での最高順位  アストリッド・プレッスル 2位(2003年と2004年)
最多優勝  ドミニク・オブライエン 8回
連続最多優勝  ドミニク・オブライエン 3回(1995 - 1997と1999 - 2001)

記憶力選手権との出会い

当サイト管理人は、小学生のときに、テレビ番組「ザ・ベストハウス123」を観て、ダニエル・タメットという人物が、自分の脳の中の「イメージ」だけで、1から50,000までのあらゆる数字を記憶するという、驚くべき能力を持っているという事に対して、甚大な衝撃を受けたことで、「記憶術」について初めて興味を持つようになった。自分の脳には使われていない部分があり、その部分を使うことが出来れば、自分もタメット氏と同じような能力を持つことが出来るのではないかと思った。

しかしながら、やはり方法も知らないままタメット氏のような能力を持つことは出来ず、いつしか記憶術への関心も薄れていった。再び記憶術について感心を持つことになるのは6年のちのことで、それは高校の図書室でたまたま記憶についての本を読んだことだった。そこで記憶力選手権という大会について初めて知った。

記憶力選手権をよく知る人々にとって、ドミニク・オブライエン氏が1987年に、クレイトン・カルヴェロ氏のトランプ1組の並び順の記憶を披露するテレビ番組を観て、大きな衝撃を受け、のちに世界記憶力選手権に出場し、8回優勝することになったというエピソードは有名である。このときのドミニク・オブライエン氏が受けた衝撃も、私がタメット氏の番組を見たときに受けた衝撃と同じようなものだったのかな・・・と想像した。

2016年になり、当サイト管理人も「記憶術選手権」に参加してみよう、と考えるようになった。日本では東京都と奈良県の2箇所で大会が開催されているのであるが、私はまず奈良県大和郡山市で開催されている、「記憶力日本選手権大会」のほうが東京よりも自宅から近く、かつ参加費が無料(?)ということで参加しやすいと考え、さっそく申し込みのためホームページを開いてみた。

ところが、ホームページを読んだところ、「記憶力日本選手権大会」が開かれるのは2017年2月5日であることが判明した。これは、すでに申し込み済みで受験する予定の漢字検定2級の試験実施日と被っているということを意味していた。・・・・・・漢字検定の受験日と偶然にも同じになったということで、やむを得ず「記憶力日本選手権大会」へは出場しないことに決めた。もっとも、漢字検定の日と被っていなかった場合でも、交通費が捻出できずに断念というパターンになっていた可能性も高いのだが。


どのようにして記憶するのか

例えば、円周率を短期間でできるだけ多く暗記するとします。

3.

1415926535 8979323846 2643383279 5028841971 6939937510 5820974944 5923078164 0628620899 8628034825 3421170679
8214808651 3282306647 0938446095 5058223172 5359408128 4811174502 8410270193 8521105559 6446229489 5493038196
4428810975 6659334461 2847564823 3786783165 2712019091 4564856692 3460348610 4543266482 1339360726 0249141273
7245870066 0631558817 4881520920 9628292540 9171536436 7892590360 0113305305 4882046652 1384146951 9415116094
3305727036 5759591953 0921861173 8193261179 3105118548 0744623799 6274956735 1885752724 8912279381 8301194912
9833673362 4406566430 8602139494 6395224737 1907021798 6094370277 0539217176 2931767523 8467481846 7669405132
0005681271 4526356082 7785771342 7577896091 7363717872 1468440901 2249534301 4654958537 1050792279 6892589235
4201995611 2129021960 8640344181 5981362977 4771309960 5187072113 4999999837 2978049951 0597317328 1609631859
5024459455 3469083026 4252230825 3344685035 2619311881 7101000313 7838752886 5875332083 8142061717 7669147303
5982534904 2875546873 1159562863 8823537875 9375195778 1857780532 1712268066 1300192787 6611195909 2164201989

おそらく、普通の人なら、1時間かけてすべて覚えようとしても、せいぜい50〜100桁ぐらいだと思います。アレックス・ミュラン氏の持つ世界記録の1時間で3,029桁暗記とは程遠いレベルです。

しかし、

例えば最初の20桁を「1415京9265兆3589億7932万3846」といった具合に、単位に区切って憶えると、区切らないで1つずつ憶えるよりは、遥かに記憶できると思います。


数字を「イメージ化」して憶える

しかし、単位に区切って憶えたとしても、0から9までの脈絡のない、何の意味も持たない数字を記憶するだけであり、頑張って憶えたとしても限界が見えてくるでしょう。

ある記憶の達人は、意味の無い数字に意味を持たせ、数字を意味のある「イメージ」として記憶する方法を開発しました。その達人の名は世界記憶力選手権で8回優勝したドミニク・オブライエンで、彼は「DOMINICシステム」(=The Deciphering Of Mnemonically Interpreted Numbers Into Characters、数字を文字に変換し記憶を助ける方法)という記憶術を新たに開発し、それを用いて超人的な記憶力を身につけたと言われています。このシステムを用いれば、1時間でバラバラの数字を1,000桁記憶することも、不可能ではなくなると思います。

「DOMINICシステム」は、思ったほど難しいものではなく、数字に該当するイメージ(人間のイメージなど、何でもよい)を頭の中で作成し、数字をより印象に残るイメージに変換して記憶するという、単純なものです。数字だけではなく、トランプ1ケースの並び順を全て憶える、図形を憶える、といった記憶競技にも利用できます。

「DOMINICシステム」よりも多くの情報を記憶することが出切る方法があるとすれば、00000から99999までの10万個の数字のイメージを頭の中で創造する、という方法があります。そうすれば、10桁の数字を10個記憶する場合、数字を10個覚えるよりは、頭の中で作ったイメージを2つ記憶するだけで済むということです。以下のダニエル・タメット氏の動画も参考にしてみてください。

(この動画において、タメット氏は世界の天才の中で3位とされていたが、個人的には彼が1位だと思う。)

「DOMINICシステム」よりも相当、難易度は高いものの、タメット氏と同じように、数字をイメージとして自由自在に操ることができれば、世界記録保持者レベルの記憶力を持つことが可能です。

イメージをどうやって創造すれば良いのかというと、例えば夢に出てきた世界を参考にじ、自分で0のイメージ、1のイメージ、・・・・・、99999のイメージといった具合に、数字ごとのイメージを自分の頭の中で作り出せばいいのです。

中々言葉で表現するのは難しいところですが、自分の頭の中に、数字をイメージ化させる「世界」をつくり、そこで数字をイメージ化させる作業をすると良いです。世界は、夢で見た世界、映画の中の世界などを参考に構築します。例えば、9999階建ての塔を自分の頭の中で立て、1階から9999階までに異なるイメージの部屋を作る、と言った具合です。時間や体力を果てしなく使う作業ですが、これさえすれば世界一も夢ではないでしょう。

逆に言えば、これほどのことを成さなければ世界一のタイトルは獲得できない、ということです。世界一の1時間に3,029桁暗記は、1分あたり50.5桁というハイペースなので、数字をイメージに変換させる作業が無いと、まず不可能なことです。当サイト管理人も、「DOMINICシステム」とタメット氏の記憶術を使用して、ミュラン氏の世界記録を更新したい・・・と思っています - 無理なのは当たり前ですが、無理だと思っていると、本当に無理になってしまいます。何事も無理と考えないことが、もっとも大切なことです -。



参考:円周率の暗記世界記録 (出典:www.pi-world-ranking-list.com)2017年1月現在
順位 記録保持者 暗記桁数
(ギネス非認定) 原口證 111,700
1 スレシュ・クマール・シャルマ 70,030
2 Rajveer Meena 70,000
3 Chao Lu 67,890
4 Sudhir Dwivedi 45,000
5 Krishan Chahal 43,000
6 後藤裕之 42,195
7 友寄英哲 40,000
8 Rajan Mahadevan 31,811
9 Rick de Jong 22,612
(ギネス非認定) ダニエル・タメット 22,514
10 デイヴィッド・トーマス 22,500

・イギリスのベン・プリッドモア氏は、ジョシュア・フォア氏の書籍「Moonwalking with Einstein」の日本語訳版、「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」の16ページ目によれば、円周率を50,000桁まで記憶しているかのように書かれている。しかし、同書籍の148ページによると、50,000桁暗記を試みたが記憶できたのは16,568桁のみに留まったという。

「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」(上記画像の真ん中の本)は、ほかの4冊とは異なり記憶力のテクニックの紹介というよりは知的競技および知的競技者の研究が主な内容となっている。記憶力大会創設者のトニー・ブザン氏のことを「記憶術を金儲けのために利用したがる」と批判するなど、知的競技を客観的に捉えたうえでの供述が面白い。


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